1. ECRSとは?
ECRSですが、読み方は「イクルス」と読みます。
そして、ECRSは製造業と相性の良いビジネスフレームワークで、業務改善(カイゼン)を図るための手順の優先順位を示します。
そして、最も効果的にカゼインを行うためのECRSの進め方は下記になります。
Eliminate(削除)⇨ Combine(統合)⇨ Rearrange(置換)⇨ Simplify(簡素)
上記のスッテプで順序よく取組むことが重要です。そして、この4つのステップの頭文字からなるのが、ECRS(イクルス)というビジネスフレームワークです。
それでは、4つのスッテプについてもう少し詳しくご説明します。ECRSにおけるカイゼンの優先順位
優先順位1:Eliminate(削除)
初めに取り掛かる項目は、この削除の手順からです。
現状、実施している業務や手順が本当に必要なのか?ムダではないか?を考え、そして削除できないかを考えるステップです。
このステップは、取り組んでいた時間を”ゼロ”に出来るのでその効果は絶大です。
生産性は下記の式で考えられるので、分母の時間削減の効果が生産性向上に与える影響は一目瞭然と思います。
そして、削除して生まれた時間を、別の業務に回し、アウトプットを増やすことでも生産性の向上に寄与します。
また、無駄なインプット(工数)削減のため、不必要な作業や分析はあえて行わないなどの対応が必要です。
優先順位2:Combine(統合)
業務や作業が削除ができないのであれば、次は統合になります。
2つの業務を1つの業務や作業に統合できれば、工数としては単純に1/2になります。
従って、似たような内容を協議しているのに出席者が少し異なるだけで開催される会議や、特に大きな進捗も期待できないのに週に1度、慣例で提出しなければならない報告書、または、似たような業務を2つの部署で行っているなどの事例があれば、それらを統合するだけで時間の圧縮になります。
さらに社外的には、様々な業務の窓口を可能な限り一本化するシステムを構築することで、管理工数の圧縮にもつながります。
製造業においては、製造管理におけるコントロールパネル室は出来るだけ統合し要員を統合することになります。
優先順位3:Rearrange(置換)
次いで、統合も難しいと判断された場合は置換になります。
現状、実施している部署から別部署が担うことで一元管理が可能であれば、業務効率を向上させることが可能になります。
さらに、人員不足の影響により生産性が著しく低下した場合は、適材適所を意識した要員の配置転換を実施することで対策することもできます。
また、自社で行うよりもアウトソーシング(外注)を用ることで生産性が向上し、コストメリットも出るのでれば、それも選択肢の1つになります。
優先順位4:Simplify(簡素)
最後のカイゼン方法が、簡素化になります。
現状の業務のムダな部分をそぎ落とすことで、業務のスリム化を目指します。
会議に用いられる資料や報告書をムダな体裁があったり、発注・受注などの業務システムなどの手順が複雑化していれば、目的を達成する為に必要最小限な業務は何かを洗い出し、余分なものを省略することで業務の効率化を図ります。
2. ECRSの具体例
それでは、ECRSの進め方を示します。
ECRSの具体例として、企業マネジメントに関して活用しました。
基本的は下記のフォーマットに従い順番に考えていきます。
ECRSのフォーマット(for 企業マネジメント)
- 会議の種類を減らす。
- 海外・国内出張を減らす。
- トリプルチェックなどの不必要なリスクヘッジを減らす。
- 定例の月中と月末の2回の会議を月末の1回にする。
- 類似機能をもつ人事部と総務部を統合する。
- サーバーやソフトを統合して、各データの一元管理にする。
- 固定電話を無くして、社内外の連絡手段を携帯電話に統合する。
- 会議室に集まっていた会議形態をオンライン会議にする。
- 決裁資料などの捺印を電子署名にする。
- 署員の特異な能力を活かすには、配置転換を行う。
- 会議の資料は、1週間前までに電子媒体で事前配布し、当日は質疑応答のみにする。
- 週報などはフォーマット化してA4紙1枚にまとめようにする。
- メールベースからチャットでプロジェクト毎にスレッド管理を行う。
3. ECRSのまとめ
以上が、ECRSのご説明になります。
業務効率のカイゼンとういことで、昨今言われている「働き方改革」を遂行するためには必須のビジネスフレームワークになります。
ECRSは、特に製造業において業務改善のメソッドとして活用されてきました。また、これかも機械による自動化が進み、より活用させるビジフレであることは明白です。
また、2020年はアフター/ウィズ・コロナということで、世界的にテレワークが大きく浸透した時代です。こういった観点から、業務カイゼンの手段がテクノロジーの発展により多様性を持ったことで、さらに効率化が進んでいくことが予想されます。
加えて、これからは人工知能(AI)が私たちの業務に大きく関与してくることは明白です。よって、ERCSではなく、Eliminate(削除)、Artificial intelligence(AI化)、Talent(才能のある個人)の順で業務を効率化するE-A-Tのビジネスフレームワーク思考になることも視野に入れて、業務をカイゼンしていく必要があるでしょう。
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