SWOT分析をおこなう簡単な書き方について【図解・具体例あり】

目次

1. SWOT分析とは?

SWOT分析は、内部環境と外部環境を総合的に評価し、事業戦略を策定するための重要なビジネスフレームワークです。このフレームワークは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要素から成り立ち、それぞれの頭文字をとってSWOTと呼ばれます。

企業や組織は、自社の強みと弱みを把握し、市場の機会と脅威を洞察することで、戦略的な方針を適切に決定することができます。この分析手法は、ビジネス戦略を立案する際に広く利用されており、その有効性と普及度から、ビジネス戦略のフレームワークとして高い認知度を持っています。

各項目の説明は以下に示しますが、まずは下図をご覧頂き全体像をイメージ頂ければと思います。

 

図表:SWOT分析のイメージ図
図表:SWOT分析のイメージ図

1.Strength(強み)

Strength(強み)は、企業や製品が持つ独自の優位性や資源、特徴を指します。これには、高品質な製品やサービス、革新的な技術やプロセス、優れた顧客サポート、強力なブランドイメージなどが含まれます。強みを活かすことで、企業は競争力を高め、市場での地位を強化し、顧客の信頼を得ることができます。

例えば、以下の通りになります。

  • アジア全域に営業拠点を持っている
  • 排他性の高い自社技術を持っている
  • 語学力の優れた人材

 

2.Weakness(弱み)

Weakness(弱み)は、企業や製品における不利な側面や課題を指します。これには、生産プロセスの効率性の低さ、製品の品質問題、競合他社と比較しての技術的な遅れ、財務的な制約などが含まれます。弱みを克服するためには、改善計画の策定や投資、効率化の取り組みが必要です。

例えば、以下の通りになります。

  • IT技術のインフラが未整備
  • 欧米諸国への進出基盤を持たない
  • 若手の人材が不足している

 

3.Opportunity(機会)

Opportunity(機会)は、企業が成長や拡大を実現するために利用できる外部のポジティブな要因や展望を指します。これには、新たな市場や顧客セグメントへの進出、技術革新への対応、業界の成長トレンドへの適応、競合他社の弱点を活かした差別化などが挙げられます。機会を最大限に活用することで、企業は収益を拡大し、市場シェアを拡大することができます。

例えば、以下の通りになります。

  • 外資系企業との業務提携
  • アジアの途上国の著しい経済成長
  • 社会的に所有から共有へのパラダイムシフト
  • 法規制の規制緩和が行われた

 

4.Threat(脅威)

Threat(脅威)は、企業や製品に対する外部の潜在的な危険や不利な要因を指します。これには、競合他社の成長や市場への参入、技術の進化による競争激化、法規制の変更、経済的な不確実性などが含まれます。脅威に対処するためには、市場動向の監視、リスク管理の強化、柔軟性のある戦略の採用などが重要です。

例えば、以下の通りになります。

  • 競合他社が新技術を開発して台頭してきた
  • 国内の市場が飽和している
  • ウイルス禍などの影響下、在宅勤務への転換が難しい
  • 新たな法規制が制定した

 

2.SWOT分析の活用例、クロスSWOTとは?

次いで、SWOT分析の活用法について説明いたします。

それは、『クロスSWOT分析』です。

SWOT分析は、現状の把握のための分析であり、次の戦略を示す分析法ではありません。従いまして、次のステップとして、クロスSWOT分析を行います。この分析を行うことで下記のことが明確になります。

1.クロスSWOT分析の4つの意味

1.包括的な視点の確保

従来のSWOT分析では、主に企業の内部状況と外部環境を評価しますが、クロスSWOT分析は異なる視点や領域を網羅的に考慮するため、より包括的な分析が可能です。これにより、企業は事業戦略を立案する際に見落とす可能性のある要因を見逃すことなく、より良い判断を下すことができます。

2.戦略の最適化

クロスSWOT分析は、異なる組み合わせの要素を考慮することで、より多くの戦略的選択肢を提供します。強みと機会を組み合わせることで、成長戦略を展開し、競争力を強化する一方で、弱みと脅威を組み合わせることで、安定性を確保する戦略など、様々な選択肢が浮かび上がります。

3.リスク管理の向上

クロスSWOT分析は、弱みと脅威を組み合わせることで、企業が直面するリスクを詳細に把握するのに役立ちます。これにより、企業はリスクを最小限に抑えるための適切な対策を講じることができます。

4.成長機会の発見

クロスSWOT分析は、強みと機会を組み合わせることで、新たな成長機会を発見するのに役立ちます。異なる産業や地域、顧客セグメントなどの視点を組み合わせることで、企業は新たな市場に参入したり、新たな顧客層を獲得したりする方法を見つけることができます。

つまり、SWOT分析で洗い出した、Strength(強み)Weakness(弱み)Opportunity(機会)Threat(脅威)の掛け算で戦略を導き出すことです。

2.クロスSWOT分析に基づく戦略について

下図がクロスSWOT分析を図式化したものになります。

図表:クロスSWOT分析の考え方のイメージ図
図表:クロスSWOT分析の考え方のイメージ図

そして最終的に、5W2Hを意識した具体的戦略を構築するまでがSWOT分析となります。

1.Strength(強み) ✖ Opportunity(機会)= 攻撃的戦略

強みと機会を組み合わせることで、企業は自身の強みを最大限に活用しつつ、市場の機会に積極的にアプローチします。優れた技術やブランド価値を活かして、新たな市場や顧客セグメントに参入し、成長を実現します。攻撃的戦略は、好機を活かして、積極的に攻める戦略になります。

例えば、以下の通りになります。

  • グローバル企業との資本提携を機に、語学力の高い人材を活用して、グローバル戦略へと切り替えて、シェア拡大を狙う。

 

2.Strength(強み) ✖ Threat(脅威)= 先手必勝戦略

強みを活かして脅威に対処することで、企業は市場での地位を維持し、競合他社の攻撃に対処します。競合他社の優位性に対抗するために、独自の強みや差別化ポイントを強調し、顧客の信頼を獲得します。ブランドイメージや顧客満足度の向上などの戦略を通じて、市場でのポジショニングを強化します。先手必勝戦略は、強みを最大限に活かして、脅威が起こるよりも先に仕掛けて、脅威を寄せ付けない戦略になります。

例えば、以下の通りになります。

  • 競合他社が新技術で市場を奪いにくることに対して、今まで築いてきた営業網を駆使して、長期契約などを結び、入り込む余地を与えない。

 

3.Weakness(弱み) ✖ Opportunity(機会)= 逆転の発想戦略

弱みを克服し、市場の機会を活用することで、企業は成長を加速させることができます。市場の機会を見極め、弱みに対する改善策を実施することで、企業は競争力を向上させます。例えば、生産プロセスの効率化や技術の更新を行いながら、新たな市場への参入や新製品の開発を推進します。逆転の発想戦略は、今までは弱みであると考えていた項目が、社会環境の変化の中で実は強みになることを見出す戦略になります。

例えば、以下の通りになります。

  • 規制緩和により、若手人材の獲得が容易になり、社内を活性化し、新たな付加価値サービスへと転換する。

 

4.Weakness(弱み) ✖ Threat(脅威)= リスクヘッジ戦略

弱みを克服し、脅威に対処することで、企業は安定性を確保し、リスクを最小限に抑えます。弱みを補強するための内部改善策を実施しつつ、外部の脅威に対する適切な対策を講じます。リスク管理や品質向上の取り組みを通じて、企業は市場での信頼性を高め、安定した成長を実現します。リスクヘッジ戦略は、負ける可能性が高く、避けるべき項目であるため、最悪のケースを想定して、先手を打ち、被害を最小限に抑えるための戦略です。

例えば、以下の通りになります。

  • 非常事態宣言により、在宅勤務を余儀なくされたことをキッカケに、ITインフラの整備について補助金を使って整備した。

  

下図がクロスSWOT分析により、設定した課題を図式化したものになります。この図表を報告書(レポート)に貼るだけで、説得力が向上します。

図表:クロスSWOT分析の活用イメージ図
図表:クロスSWOT分析の活用イメージ図

 

3.SWOT分析のまとめ

以上が、SWOT分析になります。

シンプルな思考ですが、活用範囲が広く奥が深いということも最も活用されるビジネスフレームワークとされる所以であると考えています。よって、さまざまな企業や業種で活用できると思います。

また、SWOT分析はクロス解析まで行って、初めて実用的なツールとなります。

従いまして、分析のみで終わるのではなく、戦略や戦術を構築することまで実践していただければと思います。

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