1. SWOT分析とは?
SWOT分析とは、内部環境と外部環境を考慮して事業戦略を立てるためのビジネスフレームワークで、恐らく、ビジネス戦略のフレームワークの中で最も知られているビジフレだと思います。
SWOT分析とは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの項目から構成される言葉で、それぞれの頭文字からなる言葉で、SWOT解析とも呼ばれています。
各項目の説明は以下に示しますが、まずは下図をご覧頂き全体像をイメージ頂ければと思います。

1.Strength(強み)
Strength(強み)とは、業界的に若しくは競合他社と比較して自社の強みや、強みになりそうなこと考えます。
例えば、以下の通りになります。
- アジア全域に営業拠点を持っている
- 排他性の高い自社技術を持っている
- 語学力の優れた人材
2.Weakness(弱み)
Weakness(弱み)とは、業界的に若しくは競合他社と比較して自社の弱みや、弱みになりそうなことを考えます。
例えば、以下の通りになります。
- IT技術のインフラが未整備
- 欧米諸国への進出基盤を持たない
- 若手の人材が不足している
3.Opportunity(機会)
Opportunity(機会)とは、今後の世界情勢、国内の法制整備、業界のトレンドなど、様々な外部要因が、好機として捉えることができることを考えます。
例えば、以下の通りになります。
- 外資系企業との業務提携
- アジアの途上国の著しい経済成長
- 社会的に所有から共有へのパラダイムシフト
- 法規制の規制緩和が行われた
4.Threat(脅威)
Threat(脅威)とは、今後の世界情勢、国内の法制整備、業界のトレンドなど、様々な外部要因が、危機として捉えることができることを考えます。
例えば、以下の通りになります。
- 競合他社が新技術を開発して台頭してきた
- 国内の市場が飽和している
- ウイルス禍などの影響下、在宅勤務への転換が難しい
- 新たな法規制が制定し、自由がなくなった
2.SWOT分析の活用例、クロスSWOTとは?
次いで、SWOT分析の活用法について説明いたします。
実のところ、SWOT分析は現状の解析に役立てるフレームワークであるの、その分析結果=事業戦略とはなりません。
そこで、事業戦略を考えるために、次のステップへと移ります。
それは、『クロスSWOT分析』です。
つまり、SWOT分析で洗い出した、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の掛け算で戦略を導き出すことです。
下図がクロスSWOT分析を図式化したものになります。

そして最終的に、5W2Hを意識した具体的戦略を構築するまでがSWOT分析となります。
1.Strength(強み) ✖ Opportunity(機会)= 攻撃的戦略
攻撃的戦略は、好機を活かして、積極的に攻める戦略になります。
例えば、以下の通りになります。
- グローバル企業との資本提携を機に、語学力の高い人材を活用して、グローバル戦略へと切り替えて、シェア拡大を狙う。
2.Strength(強み) ✖ Threat(脅威)= 先手必勝戦略
先手必勝戦略は、強みを最大限に活かして、脅威が起こるよりも先に仕掛けて、脅威を寄せ付けない戦略になります。
例えば、以下の通りになります。
- 競合他社が新技術で市場を奪いにくることに対して、今まで築いてきた営業網を駆使して、長期契約などを結び、入り込む余地を与えない。
3.Weakness(弱み) ✖ Opportunity(機会)= 逆転の発想戦略
逆転の発想戦略は、今までは弱みであると考えていた項目が、社会環境の変化の中で実は強みになることを見出す戦略になります。
例えば、以下の通りになります。
- 売上げ規模の小さい事業があったが、業界の規制緩和により、自社サービスの水平展開を図り、高付加価値サービスへと転換する。
4.Weakness(弱み) ✖ Threat(脅威)= リスクヘッジ戦略
リスクヘッジ戦略は、負ける可能性が高く、避けるべき項目であるため、最悪のケースを想定して、先手を打ち、被害を最小限に抑えるための戦略です。
例えば、以下の通りになります。
- 非常事態により、出社できる体制を取れなくなった際に、すぐに対応することは難しいため、在宅勤務の体制や拠点を1カ所に集中させないような対策をとる。
3.SWOT分析のまとめ
以上が、SWOT分析になります。
シンプルな思考ですが、活用範囲が広く奥が深いということも最も活用されるビジネスフレームワークとされる所以であると考えています。よって、さまざまな企業や業種で活用できると思います。
また、SWOT分析はクロス解析まで行って、初めて実用的で実践的なツールとなります。
従いまして、解析のみで終わるのではなく、戦略や戦術を構築することまで実践頂ければと思います。