【オズボーンのチェックリスト/SCAMPER】アイデア発想の「型」として使えるビジネスフレームワーク

目次

1.オズボーンのチェックリスト/SCAMPERとは?

オズボーンのチェックリスト/SCAMPERとは、アイデアを発想するための道筋を示してくれるビジネスフレームワークです。

オズボーンとは考案者の名前であり、SCAMPERとは、その道筋の頭文字からなる用語です。

アイデア発想のビジネスフレームワークとしてはブレストが有名ですが、このオズボーンのチェックリストもアイデア発想の有名なビジフレの1つです。

ブレストが空手の組手だと例えると、こちらは空手の型の様なイメージで構わないと思います。

あるターゲットに対して、様々な視点を用意して、その方向・角度からみると、何が見えますか?という、その立ち位置を教えてくれるビジネスフレームワークです。

立ち位置が決められているので、とりあえず決められた場所に集まりましょう、決めた通りのルールに従い型を披露しましょうと、いったメソッドになります。

したがって、ブレストのような自由度の高いメソッドだと、なかんかアイデアが出てこない時に適した方法だと思います。

そして、その立ち位置は以下に示すように9つあります。

  1. 転用 ⇒ ほかの使い道はありませんか?
  2. 応用 ⇒ 似たものが無いですか?
  3. 修正 ⇒ 改善はできませんか?
  4. 拡大 ⇒ プラス方向へ変化させるとどうなりますか?
  5. 縮小 ⇒ マイナス方向へ変化するとどうなりますか?
  6. 代用 ⇒ ほかのモノで代用可能ですか?
  7. 置換 ⇒ 入れ替えができないですか?
  8. 逆転 ⇒ 上下左右や物事の流れなどを反対にしたらどうですか?
  9. 結合 ⇒ 組み合わせできませんか?

SCAMPERとは?

Substitute:代用できないか?
Combine:他のものと組み合わせられないか?
Adjust:応用できないか?
Modify / Magnify / Minify:修正 / 拡大 / 縮小できないか?
Put to other uses:転用できないか?
Eliminate :削除できないか?
Reverse:逆転できないか?

2.オズボーンのチェックリストの活用例

では、オズボーンのチェックリストはどのように活かせばいいのでしょうか?

1つの項目ごとに、実例も交えてご説明致します。

1.転用

⇒ほかの使い道はありませんか?

現在の製品や技術、サービスなどを、他の製品や技術、サービスなどとした、新しい使い道は出来ないのか?という可能性を探ることになります。

例えば、多枚刃はさみです。

もともとは、キッチン用品として海苔の細切りの為に開発された「多枚刃はさみ」でしたが、個人情報管理の重要性が指摘され始めたころから、家庭ではシュレッダーの代わりに使用されるようになりました。

2.応用

⇒似たものが無いですか?

既存の製品や技術、サービスと似たようモノがないかを考えるコトになります。

例えば、おでん自動販売機があります。

基本的には自動販売機は外で飲み物を購入するための設備です。そのため、自動販売機は、冷たいものから暖かいものまで、常にその状態で保管することができます。

そして、以前から冷やすを利用したアイスクリームの自動販売機はありましたが、さらに最近では、逆に温めるを利用したおでんの自動販売機まで現れています。

まさしく、応用するというアイデアになります。

3.修正

⇒改善はできませんか?

既存の製品や技術、サービスを、修正や改善すると何か新たな利用の可能性を見出すことはできないかを探ります。

例えば、個人情報保護スタンプです。

もともとは、ハンコは契約や承認の際に利用される印として、また、はがきや手紙を装飾するためのモノとして利用されてきました。

しかし、昨今の個人情報管理の重要性から、手紙や郵便物などに記載された個人情報を読めなくするために、複雑なデザインの黒いスタンプへと修正されたモノが活用されています。

4.拡大

⇒プラス方向へ変化させるとどうなりますか?

既存の製品や技術、サービスを大きく、長く、重く、強くなどのプラス方向へ変化させることで、その可能性を探ります。

例えば、高枝切りバサミです。

これは、ベースとなっているのは剪定バサミです。剪定バサミは、造園工具のひとつで庭木の枝や果実を切る際に使用されている少し硬いモノを切ることができるハサミです。

その基本的な使用方法は近くの枝や果実を切るため、又は盆栽用として利用でした。もし、高い場所にある木の枝を切るときは、脚立を用いて切る必要がありました。

そこで開発されたのが、高枝切バサミです。剪定バサミの柄の部分を伸ばすことで、脚立に上らなくても高い場所の枝を切ることができ、庭木の手入れがとても楽になり、最近ではテレビショッピングで紹介されませんが、実は、一時期大ブームを起こした商品です。

5.縮小

⇒マイナス方向へ変化するとどうなりますか?

既存の製品や技術、サービスを小さく、短く、軽く、弱くなどのマイナス方向へ変化させることで可能性を探ります。

例えば、ミニ水筒です。

そうです、最近、話題になっている商品です。通常の水筒は400~500mlの容量ですが、ミニ水筒は120~200mlの小型サイズの水筒で、特に女性に人気沸騰中だそうです。

小型にすることで「持ち運びが便利」で「飲み残しもなくなる」、「薬を飲むのに最適」などの点において利便性が向上した製品となりました。

6.代用

⇒ほかのモノで代用可能ですか?

既存製品や技術、サービスを別なもので代用できる可能性があるかを探ります。

例えば、代替肉です。

日本では大豆たんぱくを使用したり、米国ではエンドウ豆を用いて代替肉が開発されています。日本企業ではマルコメ社が有名で、米国企業ではビヨンドミート社が有名です。

これらは、ビーガンやベジタリアンの方々だけでなく、健康意識の高い方々へのヘルシーフードとしても取り上げられています。また、将来的な食用肉不足にも対応できるスゴイアイデアとなっています。

7.置換

⇒入れ替えができないですか?

既存製品や技術、サービスの順番や場所、立場などを入れ替えることが可能かを探ります。

例えば、宅配ピザ屋さんです。

宅配ピザ屋さんは、ご存じの通り、ピザの注文を受け取ってから30分程度で調理から配達まで終えることで、その配達コストをピザの値段に転嫁し、利益を上げるビジネスモデルです。

しかし最近では、宅配ピザ屋さんがお持ち帰りは「半額」という店頭販売を行い、お客さんに来店頂くという「立場の置換」を行っています。そうすることで、お客さんは安くピザを購入でき、お店側も配達人件費の削減になり、お互いwin-winの関係を構築できています。

まさしく、置換のアイデアになります。

8.逆転

⇒上下左右や物事の流れなどを反対にしたらどうですか?

既存製品や技術、サービスの本来の動きとは逆のことを行うことで活かす可能性を探ります。

例えば、消えるインクのペンです。

一時期、国内だけでなく海外でもブームとなった、今では誰でも知っている消えるインクのペンです。当然、何かを書くという事は、何かを残すための行為なので基本的には消えてはいけません。

しかし、このペンはその発想の逆転を行い、消すことができるペンとして開発されました。それが、ちょっとした書き間違いなどに修正液を使うのは手間だという層の受容にマッチした形となり、大ブームとなりました

9.結合

⇒組み合わせできませんか?

これは、ジェームス・ウェブ・ヤングが残した書籍「アイデアのつくり方」に記載されているように、

『アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない』

ですので、いろんなモノやコトを組み合わせて可能性を探るということです。

例えば、カメラ機能付き携帯(スマホ)です。

カメラ付き携帯電話までの変遷をたどると、まず、デジカメが1990年代後半から伸び始めて、フィルムカメラを市場から追い出しました。その後、デジカメは2010年まで売り上げをの伸ばしていきました。

しかし、携帯電話とカメラを結合させた「カメラ付き携帯」が製品として開発されると、写メールという言葉もでき、社会全体に気軽に写真を携帯電話で撮る文化が芽生えました。

次いで2010年以降のスマホの普及と付属カメラの機能向上に伴い、画像を記録するだけの機能しか持たないデジカメは売上が減少していくという、大きなインパクトを与えました。

そのあと、モバイル端末(携帯、スマホなど)のカメラは記録を残すだけに留まらず、バーコードやQRコードなどを認識することのできるデバイスとなり、一気にその市場を確立し、現在では無くてはならない機能となっています。

まさしく、結合のアイデアになります。

3.オズボーンのチェックリストのまとめ

ストが秀逸だと感じているのは、最後の「結合」の項目です。まさしく、ジェームス・ウェブ・ヤングの提言通りのアイデアの組み合わせの作業が入っています。

なので、私の作成したオズボーンのチェックリストもマトリックスの真ん中に結合の項目をもってきました。つまり、これまで考え出した8つの視点のアイデアを改めて組み合わせてみましょうという事です。

まだやったことのない方がいましたら、是非、実践して頂き、何かしらの参考になれば幸いです。

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