1.PEST分析とは?
PEST分析とは、簡単に示すと4つ外部環境の視点から自社の置かれている立場を分析するビジネスフレームワークになります。
PEST分析の4つの外部環境とは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technoligy(技術)であり、その頭文字からなる用語です。
つまり、上記の4つの外部環境がどの様な変化をしいるのか?又は変化することが予測できるかをマクロ的に考えることで、自社への影響を考察し、今後の事業戦略を考える為のビジフレです。
それでは、4つの外部環境について、もう少し詳細に説明します。
1.Politics(政治)
政府の方針や基本政策、政権、外交、各種規制などについて考えます。
- 消費税の増税及び法人税の引き下げ
- 業界の規制緩和
- 自然災害地域の復興支援予算
- 諸外国に対する特別支援
- 特定の国に対する経済制裁
- 非常事態宣言による実体経済への影響
- 米国の大統領選の行く末
- 移民政策に関する議論
2.Economy(経済)
GDP成長率や金利、物価、日銀の動きなどの国内外の景気動向などについて考えます。
- 低金利政策の維継続
- 物価上昇率の目標の維持
- 東南アジア諸国のGDP成長率
- 円高・円安のトレンド
- 原油価格の超低水準
- コロナ禍による実体経済への影響
3.Society(社会)
人口や文化、生活様式、民間思想、流行、雇用などの社会情勢などについて考えます
- 人口減少と超高齢化社会
- 地方移住がトレンド化
- フリーランスなどの個人事業主の増加
- Youtuberが職業としての社会的地位を確立
- 英会話・プログラミングの必修化
- 外国人労働者数の増加
4.Technology(技術)
新規技術開発やその応用技術が社会生活に与える影響などについて考えます
- 5G技術の市場への実装開始
- ゲノム編集食品の市場参入
- バーコード決済の導入率増加
- ブロックチェーン技術によるデジタル通貨実装に向けた準備
- 3Dプリンターが様々な分野に貢献
- 遠隔診療、遠隔手術の実現に向けた取組み
2.PEST分析の活用例
続いて、PEST分析について以下に活用例を示します。
先ほどは、4つの外部環境について考えましたが、次に自社に与える影響とその対応について考えます。
先ほど挙げた事例をもとに例を下表に示します。
外部環境 | 項目 | 影響 | 対策・方針 |
Politics | ・業界の規制緩和 ・米国大統領 |
⇨悪影響 ⇨なし |
⇨新規参入企業の対策として営業強化 ⇨特になし |
Economy | ・アジア諸国のGDP ・低金利政策 |
⇨好影響 ⇨好影響 |
⇨新規参入企業の対策として営業強化 ⇨特になし |
Society | ・フリーランス増加 ・外国人労働者 |
⇨なし ⇨好影響 |
⇨特になし ⇨将来的な労働者を確保する |
Technology | ・5G技術の市場 ・3Dプリンター |
⇨好影響 ⇨好影響 |
⇨在宅者増加、本社ビル売却(固定費減) ⇨小部品のオンサイト製作(時間ロス減) |
上記では、一部抜粋した項目に対する検討結果を示しましたが、実際には、1つの項目ごとに考えてます。
初めに行うことは、現状の外部環境または今後予測される外部環境が自社の事業に対して、どのように影響するのか考えます。
つまり、その外部環境は好影響ですか?悪影響ですか?、それとも無影響ですか?を問います。
そして、次のステップでは対策や方針などの戦略を考えることになります。特に悪影響に対してはスピード感を持って対応する必要があります。好影響については、戦術を練って取り組みます。
また、無影響と判断した項目についても潜在的なリスクに対応するため、他社の動きも含め留意します。
3.PESTのまとめ
以上が、PEST分析になります。
基本的には、PEST分析はマクロ的な分析になりますので、ミクロ的な分析(SWOT分析など)も実施し、自社の戦略・戦術へ反映させることになります。
また、この政治、経済、社会、技術の4つ外部環境を分析するのがPEST分析ですが、最近では、PEST+α(環境や法律)のフレームワークもあり、外部環境の要因が多様性が増してきています。この辺は、事業分野ごとに異なりますので、より自社に適したビジフレにすることが好ましいでしょう。
最後に、外部環境を考えるときは、その情報量から個人では難しいことが考えられますので、複数人で行う方が良いのは勿論のこと、できれば他部署(営業と経理、研究など)も巻き込んで行うことがより好ましいです。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] ⇨「PEST分析」をもっと詳しく […]