【4C戦略】消費者視点からのマーケティングを示すビジネスフレームワーク

目次

1.4C戦略とは?

4C戦略とは、マーケティングの4Cとも呼ばれ、消費者の視点にたった、売れる仕組みを作るための4項目に関するビジネスフレームワークです。

メーカー視点の4P戦略とは、ベクトルが異なりますが製品を売るという目的は同じです。

その4つの項目とは、Customer value(価値)、Cost(コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)です。その4つの項目の頭文字より、4C戦略とされています。

このビジネスフレームワークも、4P戦略と同様にマーケティングにおける有名なフレームワークで、いわゆるマーケティングミックス※と呼ばれるものです。

※マーケティング活動を支える、重要な要素の最適な組み合わせをマーケティングミックスといいます。

「4P戦略」と「4C戦略」の対比を下表に示します。

4P戦略 4C戦略
Product(製品) Customer value(価値)
Price(価格) Cost(コスト)
Place(販売チャネル) Convenience(利便性)
Promotion(プロモーション) Communication(コミュニケーション)
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それでは、4つの項目についてもう少し詳しくご説明いたします。

1.Customer value(価値)戦略

4P戦略におけるProduct(製品)とは、メーカーが売りたい製品についてコンセプトを考えることでしたが、Customer value(価値)戦略においては、消費者が買いたい製品とは?から製品コンセプトを考えることになります。

つまり、メーカーが売りたい製品と消費者が買いたい製品が価値の部分でマッチしているのかが重要になります。

この考え方や視点を大きくわけると4P戦略のProduct(製品)がマーケティングでいうプロダクトアウトであれば、4C戦略のCustomer Value(価値)とはマーケットインと捉えることができます。

さらに、4P戦略が1960年代に提唱された考え方で、4C戦略が1990年代に提唱された考え方ですが、古い考え方よりも新しい方が正しいということは無く、その製品の分野や性質によって適切な考え方があります。

従いまして、製品開発においてプロダクトアウトで考えるか、それともマーケットインで考えるべきかは、ケースバイケースということになります。

プロダクトアウトとは、企業の研究活動の中で見出された技術に基づいて開発された製品を市場に提案する流れのことで、この見出された技術をシーズ(種)とも呼びます。

マーケットインとは、市場からの消費者の声を集めて、消費者がに何を欲しがっているのか、つまりニーズを把握し、そのニーズに対して製品や商品の開発をおこない市場に提供する流れのことです。

よって、Customer value(価値)戦略においては、市場の声(ニーズ)がとても重要になります。

さらに、アンメットニーズという、消費者も気づいていないニーズも存在し、メーカーが市場に製品を投入することで引き出される潜在的なニーズを指します。

有名なアンメットニーズの開拓としては、SONYの「ウォークマン」があります。もともと、市場ではどこにでも持ち運べる音楽機器のニーズは確認されていませんでしたが、当時の技術陣の鋭意研究によりウォークマンが開発されると、その潜在的なニーズが開放されて、爆発的なヒット商品となりました。

アンメットニーズの開拓については、シーズとニーズの両方をバランスよく解析できる人でなければいけないので、そういった人材は希少性が高くなります。

2.Cost(コスト)戦略

4P戦略におけるメーカー視点のPrice(価格)とは、原料費と固定費、販管費を合計した製造原価から算出された単純な製品価格ですが、Cost(コスト)戦略のコストとは、消費者がその製品を入手するまでにかかる費用になります。

つまり、製品価格に加えて、注文をするために必要な環境を整えるコスト、製品を探して選ぶまでの時間的コスト、製品が届くまでの時間的コストなどを総合した費用になります。

これらをトータル的に考えて、コストが安いと感じたときに、消費者はコストパフォーマンス(コスパ)がよいと判断し、その製品を購入します。従いまして、一概に製品価格が安いからといって、コスパが良いとはイコールになりません。

よって、最終的に消費者の手に届くまでを意識したトータルコストで価格設定を行うことが重要です。

3.Convenience(利便性)戦略

4P戦略におけるメーカー視点のPlace(販売チャネル)とは、主に消費者に製品と届ける流れを示していますが、Convenience(利便性)戦略は、消費者側からはその製品を入手するために行う手段の利便性になります。

ひと昔前は、家電を購入する際は、街の電気屋さんに向かいそこで家電を購入していましたが、基本的には在庫もそれほどなく取り寄せか、または別店舗を回ることなどをしていました。

そして、つい最近までは郊外の大型家電量販店の積極的な都市部進出により、店舗における種類や在庫も豊富となり消費者の満足を得ていました。

しかし、現在では、店舗型ではなくEC(electronic commerce)サイト、つまりネットショップなどで購入する消費者が増えてきています。それは、わざわざ店舗に足を運ぶ必要もなく、いつでも・どこでも購入することができることは、とても利便性が高いからです。さらには、先述の時間的コストの削減にもなります。

その影響で、実店舗を持たない業者も多く存在し、以前の販売チャネルの考え方とは異なる状況となっています。さらにこのビジネスモデルは、実店舗を持たず、倉庫から直接消費者に届けることで運送コストや実店舗維持コストなども削減できることから、価格へも好影響となります。

また、利便性という観点からいうと、コンビニエンスストア(コンビニ)も重要なポジションです。地域に密着し、24時間、365日いつでも製品を入手できるというのは、やはりとても利便性が高いです。

コンビニは、基本的には徒歩圏内か車で数十分以内にありますので、欲しい時には直ぐに手に入れることが出来ます。なので最近のコンビニは、食料品や日用品のほかにも薬や小型家電なども販売や、ECサイトで購入した製品の一時保管場所として活用されたり、少しずつ多様性が増してきています。

よって、これから顧客にとっての利便性を考えるときには、オンラインとオフラインをどのように活用するかが重要な戦略になります。

4.Communication(コミュニケーション)戦略

4P戦略におけるメーカー視点のPromotion(プロモーション)とは、消費者にアプローチをしかけて販売を促進する仕組みを考えることでした。なので、AIDMAに示されるように興味を持たせることを仕組みのひとつとしていました。

一方、Communication(コミュニケーション)戦略では、消費者と製品との関わり方を考えることで、製品に対して好意や安心を持ってもらうことを仕組みとしています。

以前は、メーカー側が製品の良いところを前面に押し出して興味を引き付けることで販売していましたが、最近では情報を入手することが昔に比べて容易となり、インターネットの口コミサイトにアクセスすれば消費者の本音を確認(リサーチ)することができ、そこでは別の製品と比較され、厳しく評価されることとなります。

つまり、AISCEAS(アイセアス)の流れがあるということです。

Attention(注意)⇨ Interest(興味)⇨ Search(検索)⇨ Comparison(比較)⇨ Examination(検討)⇨ Action(購買)⇨ Share(共有)

従いまして、このExamination(検討)のステップ時に、消費者とコミュニケーションを積極的にはかり、好意や安心を得てもらう必要があります。

そのために、最近の企業のホームページでは「よくある質問」のページを設けて、丁寧に製品に関する消費者の疑問に答えるようになっており(これには人件費の削減の効果もある)、さらには、より親近感(質疑応答のキャッチボール)が湧くように、AIチャットボットがチャット形式で消費者の疑問に答えたりしています。その中で、消費者は安心や好意を抱くようになります。もちろん、これらのサービスは、アフターサービスにも関わるため継続的な結びつきも可能にしています。

また、プロモーションについても一方通行の販売促進活動ではなくて、消費者も一緒の参加型のプロモーションが行われており、コミュニケーションが活発化してきています。

最近では、SNSを使った動画投稿が誰でもできるようになってきています。そこで、大塚製薬(株)は、ポカリスエットのCMミュージックビデオオーディションという企画を行いました。その結果、多くの中高生が自らの動画を投稿し、本企画を盛り上げ、プロモーションは成功に終わりました。

この企画のスゴイところは、参加者みんながハッピーであるところです。

企業側としては当然ハッピーですし、参加した中高生も青春の1ページというかけがえのない思い出を作ることができたのですから、素晴らし企画です。また、応募した全員が採用されたわけでは無いそうですが、おそらく、動画投稿を行った中高生の皆さんはポカリスエットのファンになったことでしょう。

よって、これからは、もっと企業と個人が近い関係で良質なコミュニケーションをとりながら製品販売につなげることが大切であると考えています。

2.4C戦略のまとめ

以上が、4C戦略の説明になります。

消費者目線で考えるということは、自分自身の感情に落とし込めるので共感できる部分が多かったのではないでしょうか。

しかし、冒頭でも記載させて頂きましたが、4P戦略と4C戦略のどちらかが優れているということはなく、両者の視点をハイブリッドで考えることが重要です。

さらに、今後も技術革新は起こり続けていくので、その時代や環境、テクノロジーに対応した仕組みを自分自身で考え続けることが大事です。

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