1. PREP法とは
はじめに読み方ですが、「PREP」法は「プレップ」法と読みます。
PREP法とは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)の頭文字からなるビジネスフレームワーク(ビジフレ)です。
この頭文字に従い、結論→理由→具体例→結論の順で話すことで、聞き手に対して物事を上手く伝えることが出来ます。この考え方は、ビジネスシーンだけでなく、さまざまな状況で活用できるので、ビジネスパーソンだけでなく学生の方々にも学んで頂きたいビジフレです。
それでは、その効果を体感して頂くために、PREP法を用いてPREP法を説明したいと思います。
それが下記です。
Point(結論):
プレゼンにおいて、PREP法で説明することはとても効果的です。
Reason(理由):
なぜなら、PREP法は聞き手が理解しやすい話の構成になっているため、聞き手に適切に物事を伝えることが出来るからです。
Example(具体例):
例えば、初めに「私はリンゴが好きです」と結論を示しておくで、話のゴールが明確になります。いくら話の途中で、「ミカン」や「梨」などの他の果物が出てきても、それらは結論へ導くための補足情報として捉えることが出来るからです。
Point(結論):
従いまして、プレゼンにおいて、PREP法で説明することはとても効果的です。
実際のビジネスシーンにおいては、業務の報連相(ホウレンソウ)やプレゼンテーションの時に用いることが出来ます。
因みに、報連相とは、「報告」「連絡」「相談」の頭文字からなる、伝達コミュニケーションのフレームワークです。
報告:
上司や先輩に対して業務の進捗を伝達すること。
連絡:
仕事の現状や今後の予定を上司や先輩、同僚などに伝達すること。
相談:
業務上の何か行動や判断をしなければならいとき、上司や先輩、同僚に業務上の助言を求めること。
2. PREP法のメリット・デメリット
これまでPREP法に関する良い面のみを述べてきましたが、やはりPREP法も万能では無く、メリットの側面もあればデメリットの側面も持っています。
1)PREP法のメリット
初めにPREP法のメリットについてです。
既にご理解頂いていると思いますが、相手に伝わりやすいということは、無駄な説明を行う必要がないことを意味します。
そして、それはコミュニケーションコスト(時間や労力)の直接的な削減につながります。
また、PREP法で報告することを予め認識しておくことで、自分がこの内容をどの様に上司に報告するかをイメージしながら、情報整理をすることができます。
特に、ビジネスシーンで活用されることが多く、社内プレゼンや社内の報連相において、とても効果的です。
考えてみてください。
人は相手の話をどこまで理解できているのでしょうか?
特に初めて聞く内容であった場合、何のことを話しているのかを理解する前に、話が終わってしまうことがあります。
このことから、報告や発表のポイントについて、予め示しておくことで、聞き手の心の準備を促すことができます。
また、上司との報連相のケースにおいてですが、上司は基本的には忙しいポジションの方です。
そこで、結論をはじめに伝えておくことで、上司に無駄な時間を使わせずに済みます。
2)PREP法のデメリット
次いで、PREP法のデメリットについてです。
実際はデメリットというよりも、苦手や適切ではないと表現した方が正しいかも知れません。
はっきりと示しますと、PREP法はストーリー性を持たせたスピーチには適切ではありません。
ストーリー性を持たせたスピーチを行う場合、むしろ初めに結論を伝えてしまうと、その後の内容への興味が薄れてしまいます。
ストーリー性を持たせるスピーチは、起承転結が重要であることは周知の通りであり、結論へ向けて高揚感を維持しながら、意外性により、相手の予想を裏切る方が盛り上がるからです。
つまり、PREP法とは逆に結論を先延ばしにする必要があります。
したがって、ストーリー性を持たせたスピーチはPREP法は適切ではありません。
※この上記の文章もPREP法になっていることをお気づきでしょうか。
もし、ストーリー性を持たせたスピーチを行いたい場合は、SUCCESsという手法が効果的です。
3. PREP法を用いた例文
続いて、PREP法を用いた具体例をお示しいたします。
例文① 自己PR(就職活動)
初めの例文は、就職活動の自己PRの時に用いるケースです。
①自己PR(就職活動)
Point(結論):
私の強みはコミュニケーションスキルです。
Reason(理由):
大学時代に所属していた野球部で、キャプテンを務めた経験があるからです。
Example(具体例):
大学時代は野球部のキャプテンとして、所属している部員の統率はもちろん、他の部活や、他大学とも積極的に情報交換を行い、より良い環境つくりが達成し、〇〇地区大会では、準優勝を達成することが出来ました。
Point(結論):
したがって、私の強みはコミュニケーションスキルです。
例文② プレゼン(社内プロジェクト)
続いて、2番目の例文は、社内プロジェクトのプレゼンテーションという場面です。
②プレゼン(社内プロジェクト)
Point(結論):
今期の新規プロジェクトのテーマとして、A案を採用することとしました。
Reason(理由):
今後の消費活動の主役となるZ世代にフォーカスしたA案がB案、C案よりも適切であると考えます。
Example(具体例):
昨今、注目されていますZ世代ですが、彼ら彼女らの購買意欲は、製品の価格よりも、未来志向の企業コンセプトや、環境調和を明確に打ち出しているかに影響されます。具体的にはSDGsのコンセプトに基づいているかを重要視しています。
Point(結論):
従いまして、今期の新規プロジェクトのテーマとして、A案を採用することとしました。
4. PREP法のまとめ
以上が、PREP法に関する説明になります。
基本的な流れはご理解頂けたと思います。古くからある手法ですので、古いビジネスフレームワークだと考えられますが、決してそのようなことは無いと感じて頂けかと思います。
それは、このPREP法が「説明の真理」であるからだと考えます。
むずかしいビジフレではありませんが、思考の習慣化のためは、初めは意識して活用する必要があるかも知れません。
そして、一度身に付けたあとは、さまざな業務が効率化されると思います。
特に、企業活動で多くの時間が奪われる「コミュニケーションコスト」の削減に寄与すると考えます。
ご自身が習得したあとは、ぜひ周りの方々にも教えてあげてください、そうすることでより効果が高まると思います。
ウィズコロナ・アフターコロナ時代のビジネスコミュニケーションには必須のスキル
新型コロナウイルスのパンデミックによりオンラインでの会議形態が加速度的に浸透したことを実感していると思います。
Web会議が主流となるウィズコロナ・アフターコロナ時代においては、効果的に効率よく聞き手に情報を伝えることは、とても重要なスキルとなります。
Power Point(パワポ)などを使用したプレゼンにおいても、初めに、「この会議における論点=(Point)」を示すことで、聞き手もストレスなく受け取ることができます。
つまり、PREP法は、ユーティリティースキルですので、是非、習得いただければと考えます。