初めに、読んで頂きたいお話があります。
私の友人から聞いた、その友人のお話になります。
彼は外資の大手企業の営業マンで、ある案件を成立させるため地方に向かい、その契約を見事に成立させた、そんな日のお話です。
彼は、契約を成立させた達成感から、ひとりラウンジで祝杯をあげていました。
そこへ、ひとりの女性が近寄ってきて「ご一緒してもいいですか?」と尋ねられたので、彼も「もちろん」と答え、一緒に飲むことになりました。
そして、彼女が彼の今日の仕事の成功を祝して、「一杯おごらせてください」といい2つのグラスを持ってきました。
そして、1つは彼女が、もう1つは彼が飲みました。
そこで、彼の記憶は途絶えてしまい、次に目覚めたとき時、彼はバスルームの浴槽でした。
さらに、その浴槽には氷がいっぱいに敷き詰められていました。
驚いた彼は、何が起こっているのかと思い、周囲を見渡すと、
壁に、『動くな、すぐに、その携帯で救急車を呼べ』と書かれていました。
そして、手元を見ると携帯電話と住所が書かれたメモがおいてあったので、直ぐに手に取り、119に電話をかけました。
電話が繋がると彼は現状を電話の向こうの救急隊に伝えると、その救急隊は言いました。
「また、ですか」と、
そして「背中に手を伸ばして、何か管のようなものが体についていないか確かめてください」と指示されたので、彼はかじかんだ手を背中に伸ばして指示された通りに確認すると、確かに管のようなものが付いていました。
そのことを救急隊に伝えると、こう言われました。
「やはり、そうですか。恐らくこれは、この辺りで最近多発している臓器売買組織の犯行で、たぶん、あなたも、腎臓を取られていると思います、今から急いで向かいますので、そのままじっとしていてください」